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マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)

マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)とは、サイバーセキュリティを継続的なマネージドサービスとして顧客企業に提供する事業者です。顧客に代わってセキュリティの脅威を監視し、対応します。多くの組織が社内で運用する知見や人手を持たないセキュリティ基盤を、MSSPが預かって運用します。

セキュリティ運用の外部委託

MSSPは、顧客のセキュリティチームの一部として動きます。小規模な組織の場合は、セキュリティ機能の全体を担うこともあります。一般的に、そのサービス提供モデルは次の要素で構成されます。

  1. セキュリティ監視。 MSSPはセキュリティオペレーションセンター(SOC)を運営し、ネットワークトラフィックの分析、エンドポイントの検知、ログの集約、アラートの振り分けなどを通じて、顧客の環境を24時間体制で監視します。
  2. 脅威の検知と対応。 SOCが潜在的な脅威を特定すると、MSSPはその深刻度を判定して対応手順を実行します。対応は、悪意のあるIPアドレスの遮断から、インシデント対応全体の調整まで多岐にわたります。
  3. 脆弱性管理。 MSSPは顧客の環境の脆弱性をスキャンし、対策の優先順位を決めます。多くの場合、パッチの適用や設定変更も行います。
  4. コンプライアンス支援。 多くのMSSPは、必要なセキュリティ統制を維持し、コンプライアンスレポートを作成することで、顧客が規制要件(HIPAA、PCI DSS、SOC 2、GDPRなど)を満たせるよう支えます。
  5. テクノロジーの運用管理。 MSSPは顧客に代わってセキュリティツールを導入し、運用します。対象は、ファイアウォール、侵入検知システム、SIEMプラットフォーム、エンドポイント保護、ID管理ソリューションなどです。

サイバーセキュリティの人材不足への対応

サイバーセキュリティは、ほとんどの組織が社内だけで抱えるには複雑すぎ、多くの資源を必要とするものになりました。脅威の数は増え続け、高度な攻撃を検知して対応できる人材は希少で高額です。さらに、規制要件も年々厳しくなっています。

MSSPは、成熟したセキュリティ運用にかかるコストを複数の顧客で分け合うことで、こうした課題に応えます。24時間体制のSOCと専任のセキュリティアナリストを抱える余裕がない中堅企業でも、MSSPを通じて、自前で構築する場合のごく一部のコストでその機能を使えます。

セキュリティ分野のテクノロジーベンダーにとって、MSSPは重要なチャネルパートナーの一種です。ベンダーはMSSPを通じて製品を販売し、MSSPはその製品をサービス提供の一部として導入・運用します。この関係によって、ベンダーは、自ら製品を購入して運用することはないような顧客環境にも製品を届けられます。

サービス内容、差別化、ベンダーとの提携

MSSPが一般的に提供するサービス

サービス概要
マネージド検知・対応(MDR)24時間体制の脅威監視と、能動的な調査および対応
マネージドファイアウォールファイアウォール基盤の導入と継続的な運用管理
マネージドエンドポイント保護エンドポイント検知・対応(EDR)ツールの導入と監視
SIEM管理顧客環境全体からのセキュリティログの集約と相関分析
脆弱性スキャンと管理優先順位付けと是正状況の追跡を伴う定期スキャン
インシデント対応確認されたセキュリティインシデントの調査と封じ込め
コンプライアンスレポート規制監査向けのレポートと証跡資料の作成

MSSPとMSPの違い

マネージドサービスプロバイダー(MSP)が幅広いITインフラの管理を提供するのに対し、MSSPはセキュリティに特化しています。セキュリティ運用には一般的なIT管理とは異なるスキルやツールが必要なため、この違いは重要です。

比較項目MSPMSSP
主な焦点ITインフラの管理サイバーセキュリティ
中核サービスヘルプデスク、ネットワーク管理、バックアップ、クラウド管理脅威監視、インシデント対応、脆弱性管理
主な認定ベンダーの技術認定、ITILCISSP、CISM、ベンダーのセキュリティ専門認定
人員構成ITのジェネラリストとスペシャリストセキュリティアナリスト、インシデント対応担当者、脅威ハンター
SOCの必要性一般的ではない提供モデルの中核

MSPとMSSPの両方を兼ねる組織もあります。その場合は、セキュリティサービスを幅広いIT管理サービスの一部として提供します。一方で、セキュリティ専業の事業者もあります。

ベンダーがMSSPと提携する方法

  • テクノロジーのライセンス供与: ベンダーは、専用のパートナープログラムを通じて、セキュリティ製品をボリューム価格でMSSPに提供します。MSSPはその技術を顧客基盤全体に導入し、サービスとして運用します。
  • マルチ環境(テナント)型プラットフォーム: 数百の顧客環境をひとつの画面から管理する必要があるMSSPにとって、複数の顧客環境を一元管理できる管理画面を備えたセキュリティベンダーは特に魅力的です。
  • 共同管理モデル: 共同管理型のセキュリティを提供するMSSPもあります。日常の監視はMSSPが担い、ポリシーの決定やエスカレーションは顧客の社内チームが管理します。
  • ティア別のサービスパッケージ: MSSPはベンダーの技術を土台に、サービスのティアを構成します。例えば、基本ティアにはファイアウォール管理と脆弱性スキャンを含め、上位ティアには24時間体制のSOC監視とインシデント対応を加える、といった構成が考えられます。

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