本文へスキップ

マネージドサービスプロバイダー(MSP)

マネージドサービスプロバイダー(MSP)とは、顧客のITインフラとエンドユーザーのシステムを、継続的かつ能動的にリモートで管理する事業者です。障害が起きてから修理し、その費用を請求する従来の「ブレークフィックス」型とは異なり、MSPは定額の継続料金を受け取る代わりに、技術環境を常時監視して保守します。

能動的な監視とサービス提供

MSPは、リモート監視ツール、標準化された業務プロセス、熟練した技術スタッフを組み合わせてITサービスを提供します。その運用は、次のような流れで進むのが一般的です。

  1. アセスメントとオンボーディング。 MSPは顧客の現行環境(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク構成、セキュリティ体制、抱えている課題)を評価し、マネージドサービス契約の範囲を定めます。
  2. エージェントの導入。 顧客のデバイスとネットワーク基盤に、リモート監視・管理(RMM)ツールを導入します。エージェントは性能データを収集し、異常を検知し、遠隔での是正を可能にします。
  3. 能動的な監視。 MSPのオペレーションセンターがRMMプラットフォームのアラートを監視し、ディスク容量の警告、ハードウェアの故障、セキュリティアラート、接続の問題などを、業務停止が起きる前に見つけ出します。
  4. サービスの提供。 パッチ管理、バックアップ管理、ヘルプデスク対応、ユーザーのプロビジョニング、ベンダーとの調整など、日々のITタスクを担います。
  5. 定期レポート。 顧客は、システムの稼働状況、解決済みのインシデント、改善の提案などを含む定期レポートを受け取ります。
  6. 戦略的なアドバイス。 成熟したMSPは、バーチャルCIOや技術アドバイザリーサービスを提供し、顧客のIT投資計画や、技術と事業目標の整合を支援します。

MSPモデルがチャネルにもたらす意味

1社のMSPとの提携を通じて、貴社の技術を数十から数百のエンドユーザー環境に届けられる場合があります。MSPは取引先全体で技術スタックを標準化します。

UnifyrのMSPプログラム支援を見る

中小企業には、現代の技術環境を管理できる社内IT部門を立ち上げるだけの予算や専門知識がないことが少なくありません。MSPは、予測しやすい月額費用で大企業並みのIT管理を提供することで、この空白を埋めます。

テクノロジーベンダーにとって、MSPは最も重要なチャネルパートナーの一つです。MSPは自社の顧客基盤全体にベンダーの製品を導入し、その後も継続的に管理します。そのため、1社のMSPとの提携が、ベンダーの技術を数十から数百の顧客環境に届けることにつながります。この効果は、MSPが技術スタックを選定し、顧客全体で標準化するインフラ製品(ネットワーク、バックアップ、セキュリティ、クラウドサービス)で特に顕著です。

MSPのモデルは、サブスクリプション型や従量型の料金体系とも相性がよいものです。MSPは定期課金で収益を得るため、初期に大きなライセンス費用がかかるベンダーよりも、MRR型のモデル(月額サブスクリプション、ユーザー単位のライセンス)を持つベンダーを好みます。

サービス分野、ビジネスモデル、市場動向

MSPが一般的に提供するサービス分野

  • インフラ管理: サーバー監視、ネットワーク管理、ストレージ管理、クラウドインフラの運用管理。
  • エンドユーザーサポート: ヘルプデスク、デスクトップサポート、デバイスのプロビジョニング、アプリケーションサポート。
  • バックアップと災害復旧: 自動バックアップ、復旧テスト、事業継続計画の策定。
  • セキュリティサービス: エンドポイント保護、ファイアウォール管理、メールセキュリティ、基本的な脅威監視。(より高度なセキュリティ機能を備えるMSPは、自らをマネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)と位置づけることが多くあります。)
  • クラウド管理: 移行計画の策定、クラウドリソースの管理、コストの最適化、マルチクラウドの運用。
  • コンプライアンス支援: 適切な技術的統制と文書化を通じて、規制要件への対応を支援します。

MSPのビジネスモデル

モデル概要
デバイス単位の料金管理対象のデバイス(ワークステーション、サーバー、ネットワーク機器)ごとに、顧客が毎月定額を支払う
ユーザー単位の料金ユーザーごとに毎月定額を支払い、そのユーザーが使うすべてのデバイスが対象となる
ティア型パッケージ提供範囲とSLAを段階的に高めた複数のサービスティアを用意する(例:ブロンズからゴールドまで)
オールインクルーシブひとつの月額料金で、ハードウェアの更新サイクルを含むすべてのITサービスを提供する
アラカルト顧客が必要なサービスを選び、料金は選んだ構成要素に基づいて決まる

ベンダーがMSPと提携する方法

  • MSP専用プログラム: 多くのベンダーは、マネージドサービス事業向けに設計した料金体系とライセンスモデルを備えた、MSP専用のパートナープログラムを用意しています。個別のサポート体制を伴うものもあります。こうしたプログラムには、複数の顧客環境(テナント)を一元管理できる管理画面やボリューム型の料金が含まれることがよくあります。
  • MSPアグリゲーター経由の流通: 一部のベンダーは、複数のベンダーの製品をひとつのプラットフォームにまとめる専門のディストリビューター(「マスターMSP」やアグリゲーターと呼ばれることもあります)を通じて、MSPにリーチします。
  • 従量課金型のライセンス: 月額、シート単位、利用量に基づくライセンスモデルを提供するベンダーは、MSPが自社の継続収益の請求に組み込みやすくなります。
  • RMMおよびPSAとの連携: MSPは、リモート監視・管理(RMM)とプロフェッショナルサービス自動化(PSA)のプラットフォームを土台に事業を運営しています。RMMやPSAと連携できる製品を持つベンダーは、導入が速く進む傾向があります。

MSP市場の動向

あらゆる規模の企業がIT機能の外部委託を広げるにつれて、MSP市場は成長を続けています。市場の姿を変えつつある動向には、次のようなものがあります。

  • セキュリティへの期待: 顧客はMSPにセキュリティサービスの提供をますます期待しており、MSPはセキュリティ機能を自前で整えるか、MSSPと提携することを迫られています。
  • クラウドへの移行: MSPはオンプレミスのインフラの管理から、ハイブリッド環境やクラウド環境の管理へと軸足を移しており、必要とするベンダー製品も変わりつつあります。
  • 統合: プライベートエクイティによる投資がMSPの買収を加速させ、より大規模な地域・全国規模のMSPが生まれています。こうしたMSPは、小規模な独立系事業者とは異なる提携条件を求めます。
  • 専門化: 特定の業種(医療IT、リーガルテック、金融サービス)や、特定のプラットフォーム(Microsoft 365、AWS、特定のERPシステムなど)に特化して差別化するMSPもあります。

貴社のパートナープログラムに合わせたデモをご覧ください

デモを申し込む