チャネルにおけるロイヤルティプログラムとは、長期にわたるパートナーの継続的な関与とリピート取引に報いるために設計された、体系的なインセンティブの仕組みです。個々の案件に報いる取引単位のインセンティブ(販売奨励金(SPIFF)など)と違い、ロイヤルティプログラムはパートナーの取り組みが深まるにつれて価値が積み上がります。そのため、ベンダーとの関係を維持し、広げ続ける理由を生み出し続けます。
報酬の獲得、蓄積、交換
チャネルのロイヤルティプログラムは、時間をかけて積み上がる活動や成果にパートナーを報います。一般的には、次の要素で構成されます。
- 獲得の仕組み。 パートナーは、定められた活動に応じてポイント、クレジット、またはステータスを獲得します。対象となる活動には次のようなものがあります。
- 販売した売上(販売額1ドルあたりのポイント)
- 案件登録
- トレーニングと認定の修了
- マーケティングキャンペーンの実施
- 顧客満足度スコア
- 更新および拡販による売上
- 蓄積。 獲得した報酬は、通常は年単位の計画期間中にパートナーのアカウントへ積み上がります。無制限に蓄積できるプログラムもあれば、一定期間が過ぎるとポイントが失効するプログラムもあります。
- 交換。 パートナーは蓄積した報酬を、具体的な特典と交換します。交換先はプログラムによって異なります。
- 現金またはアカウントのクレジット
- ギフトカードや商品
- 旅行や体験
- 事業開発資金
- プレミアムサポートやリソース
- ティアの昇格。 多くのロイヤルティプログラムは、パートナーティアの仕組みと連動しています。蓄積された活動によってパートナーは上位のティアに進み、より高い利益率、優先的なリードの振り分け、経営層との接点といった特典を得られます。
- 案内。 定期的な明細やダッシュボードの通知によって、残高、次のティアまでの進捗、利用できる交換先をパートナーに伝えます。
蓄積された価値によるリテンションとマインドシェアの向上
パートナーのリテンションは、チャネルプログラムにとって常に課題となります。新しいパートナーの獲得には費用がかかり、立ち上がって成果を出せるまでには半年以上かかることもあります。ロイヤルティプログラムは、離れることのコストを高めることでリテンションに貢献します。多くの報酬を蓄積した、あるいは上位のティアを獲得したパートナーには、関係を続ける明確な理由があります。
ロイヤルティプログラムはマインドシェアにも影響します。多くのパートナーは複数のベンダーの製品を扱っており、似た製品が並ぶとき、より魅力的なロイヤルティプログラムを持つベンダーの製品が勧められやすくなります。この傾向は、自分の活動に直結した報酬でやる気を引き出される個々の営業担当者にとって、とりわけ顕著です。
さらに、ロイヤルティプログラムは行動データも生み出します。パートナーがどの活動に取り組み、どの活動を避けているかを追跡すれば、ベンダーはエンゲージメントの傾向を把握し、プログラムの設計を適切に調整できます。
プログラム設計と運用上の考慮事項
プログラム設計のモデル
| モデル | 概要 | 強み |
|---|---|---|
| ポイント型 | パートナーは定められた活動でポイントを獲得し、ポイントを報酬と交換する | 柔軟で、パートナーが自分にとって価値のある報酬を選べる |
| ティア型の特典 | 活動によって上位のティアが解放され、より良い特典(利益率、サポート、リード)が得られる | 目標意識と長期的なコミットメントを生む |
| リベート型 | パートナーは一定期間の累計取引量に応じて、後払いでリベートを受け取る | 売上と直接結びつき、わかりやすい |
| ハイブリッド型 | ポイント、ティア、リベートを重ね合わせたプログラム | 複数のモチベーションに対応できるが、複雑性が高い |
個人への報酬と組織への報酬
重要な設計上の判断は、報酬をパートナーの組織に付与するのか、それとも個々の社員に付与するのかという点です。
- 組織への報酬(リベート、MDF(販促支援金)、ティアの昇格)は、パートナーの経営層がベンダーとの関係に投資する動機になります。
- 個人への報酬(ギフトカード、商品、旅行)は、実際に製品を提案して販売する営業担当者の動機になります。
最も効果的なプログラムは、この両方を備えています。組織への報酬によってパートナーのマネジメントがベンダーとの関係を支えるようになり、個人への報酬によって現場の担当者が顧客との会話でベンダーの製品を優先するようになります。
よくある課題
- 複雑さ: 獲得の区分、ポイントの価値、交換先が多すぎるプログラムは、パートナーを混乱させます。シンプルさが参加を促します。
- 満足の遅れ: 報酬を年末にしか交換できない場合、パートナーは年の途中で意欲を失うことがあります。定期的、あるいは随時の交換を認めると、関心を保てます。
- 公平感の欠如: パートナーは、自分の報酬を競合他社の提供内容や、同じプログラム内の他のパートナーが受け取る内容と比べます。ポイントの付与方法やティアの算定方法を明確にすると、不満は減ります。
- ゲーミング(ポイントの不正取得): パートナーは、価値の低い活動でポイントを稼ぐ方法を見つけることがあります(対象外の案件を登録する、実際の学びを伴わずにトレーニングを修了するなど)。活動の質を判定するフィルターを設けると、ポイントの不正取得を防ぎやすくなります。
- プログラム疲れ: 複数のベンダーのロイヤルティプログラムに参加しているパートナーは、そのすべてに関心を失うことがあります。定期的なプロモーション、ボーナスポイントのイベント、新しい交換先によってプログラムに新鮮さを保つと、注目を維持しやすくなります。