リードの評価(リードスコアリング)とは、リードが理想顧客プロファイルにどれだけ合致しているか、また組織のコンテンツやアウトリーチにどれだけ積極的に関わっているかに基づいて、リードに数値を割り当てる手法です。算出されたスコアは、営業とマーケティングのチームが、どのリードにすぐ対応すべきか、どのリードにさらなるナーチャリングが必要かを判断する助けになります。
適合性と関与度を組み合わせた複合スコア
リードの評価は、2つの側面を組み合わせます。適合性(そのリードがどのような相手か)と_関与度_(そのリードが何をしたか)です。両者を合わせることで、営業準備の状態を示す複合スコアが得られます。
適合性の評価
適合性の評価は、リードが理想顧客の属性に合致するかどうかを評価します。一般的な適合基準は次のとおりです。
- 企業規模: 売上高または従業員数で測定し、対象の規模に含まれる企業のリードほど高いスコアを得ます。
- 業界: 対象となる業種のリードには、より高いスコアを付けます。
- 役職と役割: 意思決定者や経済的な購買者は、一般の担当者や調査目的の人よりも高いスコアを得ます。
- 地域: 営業やパートナーの体制が整った地域のリードは、そうでない地域のリードより高いスコアを得ます。
- 技術スタック: 技術ベンダーにとっては、互換性のある、あるいは補完的なプラットフォームを利用している企業のリードに、スコアを加算します。
関与度の評価
関与度の評価は、リードが組織とどのようにやり取りしたかを測ります。各アクションには、その購買意図のシグナルを反映したポイントが与えられます。
- 意図の高いアクション: デモの申し込み、料金ページの閲覧、ライブ配信の製品ウェビナーへの参加には、最も高いポイントを与えます。
- 意図の中程度のアクション: 解決策の概要資料のダウンロード、教育目的のウェビナーへの参加、製品ページの複数回の閲覧です。
- 意図の低いアクション: メールを開く、ブログを読む、ソーシャルメディアをフォローする、などです。
- マイナスのシグナル: メール配信の停止、採用情報ページの閲覧(見込み客ではなく求職者であることを示す)、長期間の無反応は、ポイントを減らす要因になります。
複合評価
適合性のスコアと関与度のスコアは、加算、加重計算式、マトリクスモデルのいずれかで組み合わされ、リードの総合スコアを算出します。スコアが事前に定めたしきい値を超えると、そのリードはMQL(見込み度の高いリード)に分類され、営業に渡されるか、パートナーに振り分けられます。
リードの評価による営業の優先順位付け
評価がなければ、すべてのリードが同じように扱われます。中堅企業のIT担当VPでデモを申し込んだ人と、授業の課題のためにホワイトペーパーをダウンロードした学生が、同じキューに並ぶことになります。その結果、営業担当者は適格性のない連絡先の選別に時間を浪費し、可能性の高いリードは優先されないまま放置されて冷めてしまいます。
リードの評価は、トリアージの仕組みを作ることでこの問題を解決します。高スコアのリードにはすぐに対応し、中程度のスコアのリードはリードナーチャリングのトラックに入れ、低スコアのリードは優先度を下げるか、対象外にします。
チャネルプログラムでは、リードの評価によって、どのリードをいつパートナーに振り分けるかが決まります。スコアが低すぎるリードを振り分けるとパートナーの不満を招き、リードの振り分けプログラムへの信頼を損ないます。一方で、より高いスコアを待ってリードを保留しすぎると、フォローが遅れ、見込み客を失うおそれがあります。よく調整された評価モデルは、こうした相反する圧力のバランスを取ります。
評価モデル、キャリブレーション、メンテナンス
評価モデルの例
| 行動または属性 | ポイント |
|---|---|
| 役職: VPまたはCレベル | +20 |
| 企業規模: 従業員200〜5,000名 | +15 |
| 業界: 対象の業種 | +10 |
| デモを申し込んだ | +30 |
| 料金ページを閲覧した | +20 |
| 解決策の概要資料をダウンロードした | +10 |
| ナーチャリングメールを開いた | +2 |
| 30日間アクティビティがない | -15 |
| 採用情報ページを閲覧した | -20 |
| MQLのしきい値 | 75ポイント |
評価モデルの種類
- ポイント制モデル: 最も一般的な方式で、各属性とアクションに固定のポイントを加算します。構築も説明も簡単です。
- グレードとスコアのモデル: 適合性と関与度を別々に追跡します。適合性はAからDのグレードで、関与度は数値のスコアで表します。リードが適格となるには、両方の側面で最低限のしきい値を満たす必要があります。
- 予測モデル: 機械学習が過去の転換データを分析し、成約しやすいリードを予測するパターンを見つけ出します。自明でない相関関係を発見できる一方で、学習に十分なデータ量が必要です。
キャリブレーションとメンテナンス
リードの評価モデルは、メンテナンスをしないと時間とともに精度が落ちます。キャリブレーションには、次の作業が含まれます。
- 転換の分析: 転換したリードのスコアと、転換しなかったリードのスコアを定期的に比較します。高スコアのリードが低スコアのリードと同じ割合でしか転換しない場合は、モデルの調整が必要です。
- しきい値の見直し: MQLのしきい値は四半期ごとに検証すべきです。営業チームからMQLが適格でないとの報告があれば、しきい値を引き上げる必要があるかもしれません。パートナーからリードの量が不足しているとの不満があれば、しきい値が高すぎる可能性があります。
- スコアの減衰: 古い関与のシグナルの価値が時間とともに下がるよう、時間ベースの減衰を加えます。6か月前に料金ページを閲覧した見込み客は、昨日閲覧した見込み客ほど購入を検討している可能性は高くありません。
- フィードバックループ: 営業やパートナーから寄せられるリード品質に関するフィードバックを、評価モデルの更新に反映させます。この閉じたループのプロセスこそ、有用な評価モデルを維持するうえで最も重要な要素です。