共同マーケティング(co-marketing)とは、ベンダーとチャネルパートナーがキャンペーン、コンテンツ、イベントで協力し、共通のターゲット顧客に届けるための販促活動です。双方が予算、顧客へのアクセス、コンテンツの専門性、販促の労力といったリソースを持ち寄り、両社のブランドを掲載したキャンペーンを、双方にメリットがあるように設計します。
企画から実施まで共同で担う
共同マーケティングが、標準的なチャネル経由のマーケティングと大きく異なるのは、真に協働する点です。ベンダーがキャンペーンを作り、パートナーがキャンペーンを実施するのではなく、企画、制作、販促のすべてに双方が加わります。
共同マーケティングの代表的な取り組み
- 共同ウェビナー: ベンダーとパートナーが、共通の顧客層に関心の高いテーマで共同登壇し、双方がそれぞれの連絡先に向けてイベントを告知します。
- 共同制作のコンテンツ: 両社の知見を生かしたホワイトペーパー、ブログ記事、調査レポートを、両社のブランド名で公開します。
- 共催イベント: 展示会での共同ブース、役員向けラウンドテーブルの共催、ベンダーの講師を招いてパートナーが開くランチセミナーなどです。
- 統合型キャンペーン: メール、SNS、広告、コンテンツといった複数の接点を組み合わせたキャンペーンを、共同で企画・実施します。媒体費と販促チャネルは両社で分担します。
- 導入事例: ベンダーの製品とパートナーのサービスを組み合わせた価値を示す、共同の導入事例です。
実行の流れ
- 共同の計画。 双方が、ターゲット、キャンペーンの目的、メッセージ、スケジュール、予算の分担について合意します。
- コンテンツの制作。 両社のエキスパートがキャンペーン素材の制作に関わります。ベンダーがデザインと制作を担い、パートナーが顧客インサイトと業界知見を提供する、といった分担がよく見られます。
- 告知。 双方が、メールリスト、SNSアカウント、自社サイト、営業チームなど、それぞれの経路でキャンペーンを告知します。
- リードの共有。 キャンペーンで生まれたリードは、事前に合意した条件に従って両社で共有します。一般的には、双方がすべてのリードを受け取り、それぞれの営業プロセスでフォローアップします。
- 効果測定。 双方が成果を目標と照らし合わせて確認し、同じ施策を繰り返すか、規模を拡大するか、見直すかを判断します。
共通の顧客層を通じてリーチを広げる
価値は、双方の顧客層がどれだけ補完し合うかにあります。両社がすでに同じ連絡先にアプローチしている場合、共同の取り組みで増えるリーチはわずかです。
共同マーケティングは、リーチを広げます。ベンダーが自社の顧客層にキャンペーンを告知し、パートナーも自社の顧客層に同様に告知すれば、どちらか単独では届かない規模のリーチが得られます。さらに重要なのは、パートナーの顧客層には、特定の業界、地域、アカウントセグメントにおいて、ベンダーがまだ自社のマーケティングで接触できていない連絡先が含まれていることが多い点です。
共同マーケティングは、パートナーとの関係も深めます。共同の計画会議やコンテンツ制作を通じて、ベンダーのマーケティング部門とパートナーの経営層の認識が揃います。その連携はマーケティングの枠を超えて、共同販売や中長期の戦略計画にまで広がることも少なくありません。
パートナーにとっては、実績のあるベンダーのブランドと共同で取り組むことで、自社のブランドイメージが高まります。ベンダーにとっては、パートナーが地域で築いてきた信頼と顧客との関係にアクセスできるようになります。
共同マーケティングを成功させる原則
成功のポイント
キャンペーンを始める前に、リード共有のルールを決めておいてください。キャンペーン後の成果の帰属をめぐる対立は、共同マーケティングの関係を損なう最も速い原因の一つです。
Unifyrが共同マーケティングキャンペーンを設計する方法- 顧客層の補完性: キャンペーンは、どちらの当事者も単独ではアクセスできない連絡先に届くものであるべきです。両社が同じリストを対象にしている場合、共同の取り組みによる追加の価値はわずかです。
- 公平な貢献: 双方が釣り合った投資を行うべきです。ベンダーがすべてのコンテンツを用意し、パートナーがメールを一通送るだけでは、パートナーシップは釣り合いが取れません。
- 明確なリード共有ルール: どのリードを誰が受け取り、フォローアップの責任をどう分けるかを、キャンペーン開始前に決めておきます。ここが曖昧だと、キャンペーン終了後に摩擦が生じます。
- 現実的な期待値: 1回限りの共同ウェビナーで、パートナーシップが大きく変わることはありません。共同マーケティングは、単発のイベントではなく、継続的な共同活動のプログラムとして運用したときに最も効果を発揮します。
資金の調達方法
共同マーケティングのキャンペーンは、次のような仕組みで資金を調達できます。
| 資金源 | 仕組み |
|---|---|
| MDF(販促支援金) | ベンダーがマーケティング資金を割り当て、パートナーは資金を共同キャンペーンに充てます。実施の証拠を提出すると払い戻しを受けられます |
| 共同投資 | 双方が予算を直接拠出します。払い戻しの手続きは不要です |
| 現物提供 | 一方がコンテンツやデザインのリソースを提供し、もう一方が媒体費や顧客へのアクセスを提供します |
| 広告費の共同負担 | パートナーの購入量に応じて積み立てられた資金を、共同の販促活動に充てます |
共同マーケティングと共同ブランドの違い
共同マーケティングは、マーケティングキャンペーンを共同で企画・実施する活動を指します。共同ブランドは、両社のブランドを共有の素材に掲載する手法を指します。共同ブランドは共同マーケティングの構成要素です(多くの共同マーケティングキャンペーンは、共同ブランドの素材を使います)。ただし、共同ブランドは共同マーケティングの外でも行われます。たとえば、パートナーがベンダーのテンプレートを自社向けに手直しして、独自に使う場合などです。