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共同デリバリー

共同デリバリーは、ベンダーとチャネルパートナーが共同で、製品、ソリューション、サービスを最終顧客に提供するパートナーシップモデルです。ベンダーが製品を出荷し、パートナーが導入を単独で担うのではなく、両社が顧客との取り組みに、リソース、専門知識、労力を投入します。

役割分担

共同デリバリーでは、ベンダーとパートナーがそれぞれの強みに応じて役割を分担します。具体的な分担は、製品の性質、パートナーの能力、顧客の要件によって変わります。

典型的な役割分担

領域ベンダーの役割パートナーの役割
製品またはプラットフォームコアソフトウェア、ライセンス、ホスティング設定、カスタマイズ、連携
技術的な専門性製品エンジニアリング、ティア3サポートソリューションアーキテクチャ、導入、ティア1・ティア2サポート
プロジェクト管理社内の調整、エスカレーションの経路顧客向けのプロジェクト管理、マイルストーンの追跡
トレーニングトレーナー養成研修(train-the-trainer)、認定プログラムエンドユーザー向けトレーニング、変更管理
継続的なサポート製品アップデート、バグ修正、プラットフォームの稼働率に関するSLAマネージドサービス、最適化、日常的なサポート

ベンダーとパートナーは、取り組みを始める前にこの役割分担を合意しておきます。合意内容は通常、スコープ、スケジュール、エスカレーションの手順、商業条件を定めた作業記述書(SOW)や、共同デリバリーのプレイブックに盛り込みます。

関与のモデル

共同デリバリーは、各当事者の関与の度合いによって、異なる形を取ります。

  • ベンダー主導、パートナー支援:ベンダーが取り組みを運営し、パートナーが専門的なリソース(現地のスタッフ、業界の専門知識、継続的なマネージドサービス)を提供します。
  • パートナー主導、ベンダー支援:パートナーが顧客との関係とプロジェクトの実行を担い、ベンダーが技術リソース、製品の専門知識、エスカレーション対応を提供します。
  • 共同提供:両社が同等に関与し、顧客先やプロジェクトの共有環境で、混成チームが並んで作業します。

補完的な強みの組み合わせ

複雑な製品では、どちらか一方だけでは応えきれない要求が多くあります。だからこそ、共同デリバリーが必要になります。

ベンダーは自社製品を誰よりもよく理解していますが、完全な顧客ソリューションを大規模に提供するだけのサービス体制、現地での存在感、業界の専門知識を持たないことがあります。パートナーは顧客との関係、導入スキル、業務知識を持っていますが、深い製品知識やエスカレーション対応はベンダーに頼ります。

両社が力を合わせれば、顧客はより良い成果を得られるのが一般的です。各段階で適切な専門知識が使われるため導入が成功しやすくなり、パートナーが製品を一人で把握する必要がないため、価値実現までの時間も短くなります。

ベンダーにとって、共同デリバリーは顧客体験を守る手段でもあります。パートナーが完全に単独で提供すると、品質にばらつきが生じます。共同デリバリーであれば、ベンダーは品質基準を保てる程度に関与しつつ、サービスの負担をすべて背負わずに済みます。

共同デリバリーが適した場面と進め方

共同デリバリーが最も多く見られるのは、製品の技術的な複雑さが高い場合、案件の規模が共同でのリソース投入を正当化する場合、または顧客が両社にまたがる能力を必要とする場合です。

適した場面

  • エンタープライズソフトウェアの導入:ベンダーがプラットフォームの設定とデータ移行を担い、パートナーが要件の整理、ワークフロー設計、ユーザートレーニングを担います。
  • マネージドサービスの取り組み:ベンダーがプラットフォームとセカンドレベルのサポートを提供し、パートナーが日々の環境運用を担って、顧客の主要な窓口となります。
  • カスタムソリューションの開発:ベンダーがAPI、SDK、エンジニアリングの指針を提供し、パートナーがカスタムアプリケーションや連携を構築します。
  • 規制の厳しい業界:パートナーが顧客の業界に特化したコンプライアンスの専門知識を提供し、ベンダーが製品の技術要件を満たすことを保証します。

進め方

共同デリバリーの成否は、明確さとコミュニケーションにかかっています。

  • 役割の明確化:誰が何に責任を持つかが曖昧だと、引き継ぎが抜け落ちたり、作業が重複したりします。
  • プロジェクトの進捗の共有:両チームが、進捗、未解決の課題、スケジュールを共通の画面で確認できる必要があります。
  • エスカレーションの経路:問題が生じた際には、パートナーからベンダーのエンジニアリングチームやサポートチームへ、明確なエスカレーションの仕組みが必要です。
  • 商業条件の整合:双方が良い成果を出すことに、経済的な動機を持つべきです。ベンダーの売上が販売時点で全額計上される一方で、パートナーがすべての提供リスクを負う場合、インセンティブは一致しません。

共同デリバリーと共同販売の比較

共同販売は、ベンダーとパートナーが協力して案件を獲得する、共同の営業の取り組みです。共同デリバリーは、案件の成約後に、ベンダーとパートナーが協力してソリューションを導入し、提供する、共同のサービスの取り組みです。多くのエンタープライズの取り組みでは、共同販売が共同デリバリーにつながります。案件を獲得したのと同じパートナーシップが、提供フェーズにもそのまま引き継がれるからです。

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