チャネルマネージャーは、ベンダーの間接販売チャネルを構築し、運営する責任を担う人のことです。仕事の範囲は、パートナー開拓、リレーションシップ管理、プログラムの運営、売上への責任にまたがります。小規模な組織では、1人のチャネルマネージャーがパートナープログラム全体を任されることも珍しくありません。大企業では、この肩書きは、複数のパートナー担当者(PAM/CAM)を率いるチームリーダーを指すことがあります。
チャネルマネージャーの担当範囲
チャネルマネージャーの責任は、パートナーライフサイクルの全体にわたります。担当の範囲は企業や役職によって異なりますが、多くのチャネルマネージャーは次の4つの領域に時間を配分しています。
パートナー開拓と選定
チャネルマネージャーは、パートナーネットワークに欠けている部分(地域のカバー範囲、業界の専門性、技術力)を見極め、その穴を埋められる企業を開拓します。候補パートナーの評価、条件交渉、受け入れと見送りの判断も担います。参加を希望する企業が必ずしも適任とは限らないため、数と質のバランスを取ることが求められます。
リレーションシップ管理
パートナーが参加した後は、チャネルマネージャーがベンダー社内での主な窓口になります。定期的な事業レビュー、共同でのパイプライン(案件の見込み)の計画、エスカレーションへの対応、パートナーのニーズを社内で代弁することがその中身です。チャネルマネージャーは、各パートナーのビジネスモデル、顧客基盤、競合環境を正確に把握しています。
プログラムの実行
チャネルマネージャーは、チャネルパートナープログラムを実際に機能させる役割を担います。具体的には、育成(イネーブルメント)のリソースがパートナーに確実に届くようにし、案件登録を速やかに処理し、MDF(販促支援金)の請求を承認プロセスに確実に乗せ、インセンティブの支払いを正確かつ適時に行います。そのためには、プロダクトマーケティング、営業企画、財務、プリセールスエンジニアリングなど、社内の各チームとの連携が欠かせません。
売上への責任
多くのチャネルマネージャーは売上目標を持っています。評価は、担当するパートナーポートフォリオの総受注額を基本に、パートナー開拓の目標、稼働率(アクティベーション率)、案件登録の件数、パイプラインの成長といった補助指標も加味して行われます。売上目標によって、チャネルマネージャーの活動と企業の業績が直接結びつくのです。
パートナーの生産性へのチャネルマネージャーの影響
パートナーは、初めから特定のベンダーの製品を優先して売るわけではありません。通常は、機会、サポート、経済的なリターンの組み合わせが最も有利なベンダーの製品を売ります。チャネルマネージャーの仕事は、ポートフォリオ内のすべてのパートナーについて、この判断がベンダーに有利に働くようにすることです。
チャネルマネージャーがその役割をきちんと果たせば、パートナーは生産性を高め、積極的に関わり、成長していく傾向があります。反対にうまくいかなければ、パートナーは導入後に停滞し、プログラムから離れ、最後には解約してしまいがちです。チャネルマネージャーは、ベンダーの戦略とパートナーの日々の販売活動とを結ぶ、人が担う結節点なのです。
チャネルマネージャーの1週間
中規模のテクノロジー企業では、チャネルマネージャーが通常30〜60社のパートナーを担当します。ある1週間の例は次のとおりです。
- 月曜日: パイプラインのダッシュボードを確認します。案件が止まっているパートナーを洗い出し、面談を設定します。
- 火曜日: 最上位ティアのパートナーと四半期業績レビュー(QBR)を行います。共通の目標、パイプラインの健全性、今後のマーケティング施策を確認します。
- 水曜日: 新製品のSKUを紹介するウェビナーを、パートナー全体向けに開催します。その後、その製品を最も売りやすい立場にあるパートナーに個別に働きかけます。
- 木曜日: MDFの請求をまとめて処理します。戦略パートナーとの共同ブランドキャンペーンについてマーケティング部門と調整し、同じアカウントを狙う2社のパートナーの間で生じた案件登録のバッティング(チャネルコンフリクト)を解決します。
- 金曜日: 候補となるパートナーと面談します。技術力、顧客基盤、ベンダーが描く理想のパートナー像との適合性を評価します。
チャネルマネージャーとパートナー担当者の違い
この役職の区分は、会社によって異なります。両者を同じ意味で使う会社もあります。一方で、チャネルマネージャーをより上位の戦略職とする会社もあります。その場合、チャネルマネージャーはプログラム設計、損益責任、チームのマネジメントを担い、パートナー担当者は個々のパートナーを担当して、割り当てられたポートフォリオ内の日常的な関係を管理します。この体制では、パートナー担当者がチャネルマネージャーに報告します。