パートナーコミュニケーションとは、ベンダーがパートナーエコシステムに情報を伝えるために用いる仕組み、チャネル、実務の総称です。プログラムの更新、製品発表、トレーニングの機会、インセンティブの詳細、競合情報、運用上の変更などが含まれます。適切な情報発信があれば、パートナーは状況を把握し、足並みをそろえ、販売と提供の準備を整えられます。一方、情報発信が不十分だと、パートナーは手探りの状態に置かれ、誤った情報を持ち、関心を失っていきます。
チャネルとコミュニケーションの種類
パートナーコミュニケーションは、情報の種類や緊急度に応じて、それぞれに適したチャネルを組み合わせて行われます。
一般的なチャネル
- メールマガジン:製品アップデート、今後のイベント、新しいリソース、プログラムのニュースをまとめて定期的に配信するものです(週次、隔週、月次)。今も最も広く使われているチャネルです。
- パートナーポータルのお知らせ:パートナーがログインした際に、ポータルのダッシュボードに表示されるお知らせや通知です。期限のある情報や方針変更の周知に効果的です。
- ウェビナーとライブ説明会:製品発表、競合の動向、プログラム変更を扱う双方向のセッションです。その場で質疑応答ができ、文書での更新より関与を得やすい傾向があります。
- SlackまたはTeamsのチャンネル:関与の深いパートナーとのリアルタイムのやり取りに使われることが増えています。簡単な質問、パートナー同士の議論、非公式な情報共有に最適です。
- パートナー諮問委員会の会議:選ばれたパートナーに対し、プログラムの方向性や今後の変更について行う戦略的な情報共有です。
- パートナー担当者(PAM/CAM):ベンダーのCAMと担当パートナーの1対1のやり取りです。事業レビュー、案件支援、関係管理のための、最もパーソナルなチャネルです。
- アプリ内通知:特定のイベント(案件ステータスの変更、新しいコンテンツの公開、認定の期限切れなど)をきっかけに、PRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)プラットフォーム内に表示される通知です。
コミュニケーションの種類
| 種類 | 目的 | 主なチャネル | 頻度 |
|---|---|---|---|
| プログラムの更新 | 方針変更、ティアの調整、新しい特典 | メール + ポータル | 必要に応じて |
| 製品ニュース | 製品発表、アップデート、ロードマップのハイライト | ウェビナー + メール | 毎月または四半期ごと |
| 育成(イネーブルメント) | 新しいトレーニング、認定の期限、プレイブック | ポータル + メール | 継続的 |
| インセンティブのお知らせ | 販売奨励金(SPIFF)、プロモーション、MDF(販促支援金)の利用可能性 | メール + CAMによるアウトリーチ | 四半期ごと |
| 競合インテリジェンス | 勝敗の分析、ポジショニングの指針 | ポータル + ウェビナー | 必要に応じて |
| 運用 | システムメンテナンス、プロセス変更、締め切り | メール + ポータルでの通知 | 必要に応じて |
情報発信が不足すると起きること
パートナーは社員ではありません。ベンダーの全社会議に出席したり、社内のSlackを読んだり、社内の雑談を耳にしたりすることはありません。パートナーが販売と提供に必要とする情報はすべて、意図的に伝えなければなりません。情報発信が行き届かないと、次のような実害が生じます。
- ポジショニングのずれ:製品アップデートや価格変更を知らないパートナーは、古い情報を顧客に伝えてしまうことがあります。
- 機会の損失:新しいインセンティブプログラムやMDFの存在を知らないパートナーは、新しいインセンティブやMDFを活用できません。
- 信頼の低下:プログラムの変更をベンダーからではなく、競合や顧客から知ったパートナーは、自社が軽んじられていると感じます。
- サポート負荷:事前の情報発信が不十分だと、受け身の問い合わせが増えます。明確な更新で答えられたはずの質問をパートナーが都度たずねることは、双方にとってのコストです。
効果的な情報発信の設計
パートナーへの情報発信は、初期状態では量が多すぎて関連性が低くなりがちです。パートナーの分類(セグメント)ごとに出し分けたメッセージは、一斉配信の更新を大きく上回る成果を、一貫して生み出します。
Unifyrでパートナーコミュニケーションを見る効果的な情報発信の原則
量より関連性
パートナーがベンダーの情報発信に対して最も多く挙げる不満は、量が多すぎて、そのほとんどが自社に関係ないことです。パートナーの種類、ティア、地域、製品の重点分野によって配信内容を出し分ければ、各社の事業に関連する情報だけを届けられます。
体裁より明快さ
パートナーが知りたいのは、何が変わったのか、その変更が自社にとってなぜ重要なのか、そして(あれば)何をすべきか、の3点です。この3点に答える簡潔なメールは、肝心な点を埋もれさせる凝ったニュースレターよりも効果的です。
タイムリーさ
パートナーは、自社に影響する変更が発効する前に知らされるべきです。価格変更を発効当日に発表するのは、事後の通知であって、情報発信とはいえません。
一貫性
一定のペース(毎週でも毎月でも)は、パートナーエンゲージメントの習慣を育てます。パートナーは、いつ更新があるか、どこで確認できるかを把握しているべきです。
配信先の分類(セグメンテーション)の方法
多様なエコシステムでは、万人向けの情報発信がうまくいくことはほとんどありません。効果的な分類の切り口には、次のものがあります。
- パートナーの種類別:リセラーは価格とマージンに関心があり、テクノロジーパートナーは連携の更新に、サービスパートナーは導入リソースに関心があります。
- ティア別:上位ティアのパートナーには製品発表の事前通知や新プログラムへの早期アクセスを提供し、下位ティアには標準の配信ペースを適用することがあります。
- 地域別:地域ごとに価格、コンプライアンス要件、市場状況は異なるため、パートナーは事業を展開する地域に関係する情報を受け取るべきです。
- 製品ライン別:特定の製品を扱うパートナーは、自社が販売していない製品の更新を受け取る必要はありません。
情報発信の効果の測定
- メールの開封率とクリック率(基準値は状況によって異なりますが、低下している場合はコンテンツの飽きや関連性の低下を示しています)。
- 告知後のポータル利用状況(新しいリソースを見るために、パートナーはログインしたか)。
- ウェビナーの参加率と、セッション後のアンケートによるフィードバック。
- 告知後の受け身の問い合わせの減少(「そのことは知りませんでした」というチケットの減少)。
- 情報発信の体験に対するパートナー満足度調査のスコア。