トレーニング管理システム(LMS)とは、トレーニングや教育コンテンツを作成、提供、管理、追跡するためのソフトウェアプラットフォームです。チャネルおよびパートナーのエコシステムでは、トレーニング管理システムがパートナートレーニングプログラムの土台となり、分散した組織のパートナー営業担当者や技術スタッフを、ベンダーが大規模に認定できるようにします。
チャネルトレーニングプラットフォームの構成
チャネルの文脈におけるトレーニング管理システムは、パートナーの従業員がアクセスできる一元化されたトレーニングの拠点として機能します。典型的な構成は次のとおりです。
- コンテンツの作成と配信。 トレーニング教材は、トレーニング管理システムの中で作成するか、外部から取り込みます。コンテンツ形式には、動画講座、インタラクティブな教材、スライド資料、クイズ、ハンズオンのラボなどがあります。システムの中でネイティブにコンテンツを作る組織もあれば、外部のオーサリングツールでSCORMやxAPIのパッケージを作って取り込む組織もあります。
- 講座の構成。 コンテンツは、学習パス、カリキュラム、認定トラックに整理されます。パートナーの営業認定には、製品概要の講座、競合との差別化の単元、デモスキルの評価、最終試験が含まれることがあります。
- ユーザー管理。 パートナーの従業員は学習者としてプロビジョニングされます。通常は、PRMやパートナーポータルとの連携を通じて行います。ユーザープロファイルでは、役割、パートナー組織、ティア、修了履歴を追跡します。
- 提供。 学習者は、Webポータルやモバイルアプリから講座にアクセスします。コンテンツは、自分のペースで学べるもの(オンデマンド)か、講師が進行するもの(ライブセッションを予定)のいずれかです。多くのプログラムは両方の形式を組み合わせています。
- 評価。 クイズや試験によって、学習者が教材を理解したかを確かめます。合格点を取ると、認定が付与されます。
- 追跡とレポート。 トレーニング管理システムは、修了状況、評価スコア、学習時間、認定の有効期限を記録します。レポートはパートナー組織単位に集計されるため、ベンダーは、どのパートナーでチームのトレーニングが終わっていて、どのパートナーが終わっていないかを把握できます。
パートナートレーニングと認定の大規模展開
パートナートレーニングは、チャネルパートナーの育成(チャネルイネーブルメント)の土台です。ベンダーの製品と営業プロセスを理解していないパートナーは、効果的に販売できません。トレーニング管理システムがあれば、トレーナーがすべての拠点を訪ねなくても、数百の組織にまたがる数千のパートナー営業担当者に、一貫したトレーニングを届けられます。
追跡の機能も同じくらい重要です。トレーニング管理システムがなければ、ベンダーはパートナーの従業員が実際にトレーニングを修了したかどうかを把握できません。オンボーディングセッションに参加したからという理由で、パートナーの育成が済んでいると思い込むかもしれません。しかし、個々の担当者が評価に合格したか、製品アップデートの知識を最新に保っているかを確認する手段がありません。
トレーニング管理システムのデータは、パートナープログラムのガバナンスにも役立ちます。多くのパートナープログラムは、ティアの状態、案件登録の対象条件、スペシャライゼーションのバッジを、トレーニングの修了や認定に紐づけています。トレーニング管理システムは、こうした要件を裏づける監査可能な記録を提供します。
ユースケース、連携、選定の基準
チャネルプログラムにおける主なユースケース
- 新規パートナーのオンボーディング: 構造化された学習パスによって、新しいパートナーにベンダーの製品、市場投入戦略、パートナープログラムの仕組み、利用可能なリソースを紹介します。
- 営業認定: パートナーの営業担当者は、製品のポジショニング、競合との差別化、反論への対応、デモの実施に関する講座を修了します。多くの場合、認定試験に合格することが、案件を登録したりリードを受け取ったりする条件になります。
- 技術認定: パートナーのエンジニアやアーキテクトは、製品の導入、設定、連携、トラブルシューティングに関する技術トレーニングを修了します。
- 製品ローンチのトレーニング: 新製品や大きなアップデートがリリースされると、ベンダーは更新された講座を公開し、パートナーは指定された期間内に修了することが求められます。
- コンプライアンストレーニング: 業界や提携契約によっては、特定のコンプライアンス講座(データプライバシー、セキュリティ、規制要件など)の受講が求められます。
トレーニング管理システムの連携ポイント
| 連携先 | 目的 |
|---|---|
| PRM/パートナーポータル | シングルサインオン(SSO)によるアクセス。トレーニング状況を他のパートナーデータと並べて表示 |
| CRM | トレーニングの修了データをパートナー情報に紐づけ、レポートに活用 |
| 認定管理 | 講座の修了時に、デジタルバッジや認定証を自動で発行 |
| ゲーミフィケーションエンジン | ポイントとリーダーボード(ランキング)で、学習者の関与を高める |
| コンテンツ作成ツール | 外部の制作プラットフォームから、SCORM、xAPI、または動画コンテンツを取り込む |
チャネルプログラム向けのトレーニング管理システムの選定
チャネル向けのトレーニング管理システムの要件は、社内の従業員向けのシステムのニーズとは、いくつかの点で異なります。
- マルチテナントのアーキテクチャ: 複数のパートナー組織を支えられる必要があります。各組織が自社のユーザーを持ちながら、環境(テナント)間でデータが漏れないようにしなければなりません。
- セルフ登録または一括プロビジョニング: パートナーは、ユーザーごとにベンダーの承認を得ることなく、自社の従業員を追加できる必要があります。
- ブランディングの柔軟性: プログラムによっては、主要なパートナー向けに、共同ブランドやホワイトラベルの学習ポータルを提供します。
- 外部からのアクセス性: 企業のファイアウォールの内側に置かれる社内向けのシステムとは異なり、チャネル向けのトレーニング管理システムは、どの場所からでも、どのデバイスからでもアクセスできる必要があります。
- 組織単位のレポート: ベンダーには、個々の学習者だけでなく、パートナー組織ごとのトレーニング状況を集計したレポートが必要です。
課題
パートナー向けトレーニングの修了率は、ひとつの単元が20分を超えると約半分に下がります。短さは妥協ではなく、設計上の必須条件です。
Unifyrのパートナー向けトレーニング管理を見る- 修了率の低さ: パートナーの担当者は販売で忙しく、トレーニングは売上につながる活動と競合します。短い単元に分けたコンテンツ(マイクロラーニング)は、長い講座よりも修了率が高くなる傾向があります。
- コンテンツの陳腐化: 製品は教材の更新よりも速く進化します。古い講座は信頼を損なうとともに、パートナーに誤った情報を教えてしまいます。
- 認定疲れ: 複数のベンダーの製品を販売しているパートナーは、製品ごとの認定取得を求められます。売上の機会に対して過剰なトレーニングを求めるベンダーは、パートナーの関与を失うおそれがあります。